「信じられない。まさか日本郵便が――」 そう語るのは、長年現場で働くベテランドライバー。 今、物流業界に激震が走っている。 日本郵便が国土交通省から“運送事業の許可取り消し”という前代未聞の行政処分を受けようとしているのだ。
■ 国交省が異例の厳罰処分へ
2025年6月5日、国土交通省は日本郵便に対し、一般貨物自動車運送事業の許可を取り消す方針を発表。これは運送業界における最も重い行政処分であり、大手企業への適用は極めて異例だ。
今回の処分は、兵庫県内の郵便局で発覚した「点呼未実施・虚偽記録問題」を端緒とし、全国規模での法令違反が次々と明らかになった結果である。
■ 具体的な違反内容
- 出発前点呼を実施せず「行った」と記録する虚偽報告
- アルコール検知器の不使用や記録偽造
- 運転免許証の確認漏れ
- 運行管理者による点呼回数が法令基準の1/3以下
全国3,188郵便局のうち、なんと75%(2,391局)で違反が見つかっており、全13支社すべてが対象という組織的かつ慢性的な違反が疑われている。
■ 酒気帯び運転の実態も判明
さらに追い打ちをかけるのが、2025年4月中に全国で20件の酒気帯び運転が発覚したことだ。
- 原付きバイクで配達中にアルコール反応(実働中)
- 他19件は点呼時にアルコール検知
社長の謝罪会見(2025年4月23日)以降も、改善が見られず、むしろ違反件数は増加傾向にある。

■ 処分の範囲と事業への影響
処分の対象となるのは、約2,500台のトラック・ワンボックス車両。これは「一般貨物自動車運送事業」の許可を要する車両であり、取り消しから5年間は再取得不可という厳しい制限がかかる。
ゆうパックを中心に、年間10億個以上を配送する日本郵便にとって、市場占有率2割の物流が直撃を受ける可能性がある。
【業界への影響】
この処分によって、各地域の郵便物や荷物の到着遅延が発生する可能性がある。特に、協力会社や子会社への“急な委託転換”が物流品質の低下を招く懸念が高い。
■ 日本郵便の対応策は?
日本郵便側は事業継続に向けて以下の策を検討中。
- 子会社「日本郵便輸送」への業務委託拡大
- 軽バン車両への業務シフト(約32,000台)
- 原付きバイク・協力会社を活用した代替配送
しかしこれらの動きは、「実質的な処分逃れ」ではないかと当局が注視しており、現状では“延命”に過ぎないという指摘もある。
◾︎ 軽バン車両と“規制対象外”の仕組み
今回の処分対象は「許可制のトラック・ワンボックス車(約2,500台)」に限られ、軽バン車両(約32,000台)は“届出制”のため処分対象外となっている。
ただし、今後の調査次第では、軽車両・協力会社への監査強化が行われる可能性もあり、現場レベルでの体制見直しは不可避だろう。
◾︎【過去事例と比較】ヤマト・佐川の不祥事との違い
過去、ヤマト運輸では残業代未払い問題、佐川急便では配送ドライバーの過積載などが問題視されたが、いずれも許可取り消しには至っていない。
それに対し、今回の日本郵便は“全国規模・組織的・虚偽記録”という3重の深刻性が重なり、初の大規模許可取り消し処分となる見込みです。
■ 今後の処分スケジュール
- 6月5日:処分案公示
- 6月中旬:日本郵便への聴聞実施
- 6月下旬:正式処分決定見込み
- 7月以降:他部門への影響調査継続
■ 国交省のコメント
「大手企業とは思えない、組織的な杜撰さであり、物流全体の信頼を損なう重大事案である」 ── 国土交通省関係者
■ まとめ(終わりに)
「まさか日本郵便が…」 という衝撃は、多くの国民と物流関係者に共通しているはずだ。
今回の件は、単なる“管理ミス”ではなく、国家レベルの物流インフラが崩れかけているという現実を突きつけている。
そして我々委託配達員にとっても、この動きは他人事ではない。 物流の未来を守るために、「ルールを守る」という当たり前を徹底することが、今ほど問われている時代はない。
参考:リンク
・NHK:日本郵便に運送事業許可取り消しの方針(2025年6月5日)
・読売新聞:日本郵便で全国的な点呼不備発覚
・朝日新聞:飲酒運転も続出、日本郵便に広がる不信
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